【2026年最新版】男性のHPVワクチン助成制度と費用|対象年齢・自治体の調べ方まで解説

【2026年最新版】男性のHPVワクチン助成制度と費用|対象年齢・自治体の調べ方まで解説

公開日
お子さんの健康を守るため、最近注目されているのが男性へのHPVワクチン接種です。全国の自治体で助成制度が広がっており、費用負担を軽減できる可能性があります。この記事では、自治体の助成内容や対象年齢、接種の流れまで、保護者の方が知っておきたい情報をわかりやすくお伝えします。
神谷 仁
神谷 仁かみや母と子のクリニックかみや母と子のクリニック院長/沖縄県産婦人科医会副会長1985年5月に琉球大学産婦人科に入局し、昨年6月に分娩取り扱いを終了するまで2万人以上の分娩に立ち会ってきました。生理、出産、育児、更年期等の悩みなど女性の幅広い年齢層に対応できるクリニックの院長として地域医療に取り組んでおります。プロフィール詳細を見る

なぜ男性にもHPVワクチンが必要なのか

盾に守られた男女

HPVウイルスは男女ともに感染するウイルスです

HPV(ヒトパピローマウイルス)は、「子宮頸がんワクチン」という名称から女性特有のものと思われがちですが、実際には性的接触によって男女問わず感染する可能性があるウイルスです。

このウイルスは非常に一般的で、性経験のある方の多くが一度は感染するといわれています。多くの場合、免疫の力で自然に排除されますが、一部のハイリスク型HPVに持続的に感染すると、さまざまな病気を引き起こすリスクが高まります。

男性の場合も女性と同様に、性器や肛門周辺、口腔内の粘膜からウイルスが侵入し、体内に感染が成立します。感染しても症状が出ないケースが多いため、知らないうちにパートナーへ伝播させてしまう可能性もあるのです。

中咽頭がんや肛門がんなど、男性特有のリスクがあります

男性がHPVに感染すると、以下のような病気のリスクが高まります。

  • 中咽頭がん:喉の奥にできるがんで、近年増加傾向にあることが報告されています
  • 肛門がん:肛門周辺に発生するがんで、治療が難しい場合があります
  • 尖圭コンジローマ:性器や肛門周辺にイボ状の病変ができる病気で、かゆみや痛みを伴うことがあります

ワクチンによって原因となるウイルス型の感染を予防できる可能性があり、発症リスクを下げることが期待されています。

パートナーや社会全体を守ることにもつながります

男性がHPVワクチンを接種する意義は、ご自身の健康を守るだけにとどまりません。

男性が感染を予防することで、将来のパートナーへのウイルス伝播リスクを減らし、結果として女性の子宮頸がんリスク低減にもつながる可能性があると考えられています。大切な人の健康を守るという観点からも、ワクチン接種は非常に意味のある選択といえるでしょう。

さらに、男女ともに接種率が高まることで、地域社会全体でのHPV感染率が低下する「集団免疫効果」が期待できます。ワクチンを接種していない方や、接種しても十分な免疫がつかなかった方も含めて、社会全体でHPV関連疾患の発生が減少する可能性があるのです。

息子さんへのワクチン接種は、家族と社会全体の健康を守る一歩になります。


【2026年度版】男性の接種にかかる費用と助成制度

任意接種のため原則は全額自己負担(5〜10万円程度(税込))

男性のHPVワクチン接種は、現在の日本では「任意接種」に分類されており、原則として全額自己負担となります。女性の定期接種のように公費での全額補助はありませんので、費用面での準備が必要です。

HPVワクチンは効果を最大限に引き出すために、2回または3回の接種が必要となります。1回あたりの接種費用はおおよそ1万5,000円から3万5,000円程度(税込)。総額で5万円から10万円(税込)を超えることも珍しくありません。

特に、より多くのHPV型に対応できる9価ワクチン(シルガード9)は、4価ワクチン(ガーダシル)と比べて高額になる傾向があります。この経済的負担が、接種を見送る大きな理由となっているご家庭も多いのが現状です。

自治体の助成制度が増えています

うれしいことに、近年では男性のHPVワクチン接種費用を助成する自治体が全国的に増加しています。これは、男性への接種が本人だけでなく、社会全体の公衆衛生向上に貢献するという認識が広まってきたためです。

助成の内容は自治体によって大きく異なります。主なパターンとしては次のようなものがあります。

  • 全額助成:対象年齢や条件を満たせば、窓口での自己負担なしで接種を受けられる最も手厚い制度です
  • 一部助成:接種費用の一部(例:半額、または1回あたり上限1万円など)を自治体が負担し、残りを自己負担する形です
  • 償還払い:一度全額を自己負担で支払い、後日自治体に申請することで費用の一部または全額が還付される制度です

償還払いの場合は、領収書や接種記録などの書類が必要になりますので、事前に手続きの流れを確認しておくことが大切です。お住まいの自治体がどのような助成を行っているかを確認することが、費用負担を軽減する第一歩となります。

お住まいの地域の助成制度を確認する方法

自治体の助成制度は地域によって異なるため、正確な情報を入手することが重要です。ここでは、助成制度の有無や内容を調べる方法をご紹介します。

インターネットで検索する方法

まず手軽にできるのが、インターネット検索です。検索のポイントは以下の通りです。

  • 検索キーワード:「お住まいの市区町村名 HPVワクチン 男性 助成」
  • 確認すべき情報:対象者、助成金額、申請期間、必要書類、協力医療機関
  • 注意点:情報が古い可能性もあるため、必ず自治体の公式ウェブサイトで最新情報を確認しましょう

電話で直接問い合わせる方法

ウェブサイトで情報が見つからない場合や、不明な点がある場合は、自治体の担当窓口に直接電話で問い合わせるのが確実です。

  • 問い合わせ先:保健所、保健センター、健康推進課、子育て支援課など
  • 伝える内容:「男性のHPVワクチン接種の助成制度について知りたい」と具体的に伝えましょう



助成制度の対象年齢と接種スケジュール

デジタルデバイスとカレンダー

多くの自治体では小学6年生から高校1年生が対象です

男性のHPVワクチン接種に対する助成を行っている自治体の多くは、「小学校6年生から高校1年生相当の年齢の男子」を対象としています。

性交渉が始まる前の年齢での接種が効果的であるとされていますので、ワクチンは、感染する前に接種することで予防効果が期待できます。

「相当の年齢」という表現は、「〇年〇月〇日から〇年〇月〇日生まれ」といった具体的な生年月日で区切られることを意味します。そのため、お子さんが対象期間に含まれるかどうかは、自治体の公式ウェブサイトで正確な生年月日を確認することが非常に重要です。

確認を怠ると助成対象期間を過ぎてしまい、全額自己負担となる可能性もあります。特に年度末に近い時期には、早めに確認して予約を入れることをおすすめします。

なお、自治体の助成対象年齢を過ぎた場合や、助成制度がない地域にお住まいの成人男性でも、自費であれば接種は可能です。ご自身の健康リスクを低減したい方は、医療機関で医師に相談してみましょう。

接種回数は2回または3回、ワクチンの種類によって異なります

日本で男性への接種が承認されているHPVワクチンには、「4価ワクチン(ガーダシル)」と「9価ワクチン(シルガード9)」の2種類があります。

4価ワクチン(ガーダシル)の特徴

  • 対応するHPV型:6型、11型、16型、18型の4種類
  • 6型・11型:尖圭コンジローマの主な原因
  • 16型・18型:中咽頭がんや肛門がんの主要な原因となる高リスク型
  • 接種回数:3回

9価ワクチン(シルガード9)の特徴

  • 対応するHPV型:4価ワクチンの4種類に加えて、31型、33型、45型、52型、58型の5種類を追加(合計9種類)
  • 子宮頸がんの原因とされるHPV型のうち、約90%をカバーすると報告されてる(※出典:厚生労働省等)
  • 接種回数:15歳以上で開始する場合は3回、15歳未満で開始する場合は2回

9価ワクチンは、より多くのHPV型に対応しているため、幅広い予防効果が期待されています。

標準的な接種間隔を守ることが大切です

ワクチンの効果を十分に得るためには、決められた間隔で接種を完了させることが推奨されています。

3回接種の標準的なスケジュール

  • 1回目:初回接種
  • 2回目:初回接種の2ヶ月後
  • 3回目:初回接種の6ヶ月後

2回接種の標準的なスケジュール(15歳未満で9価ワクチンを開始する場合)

  • 1回目:初回接種
  • 2回目:初回接種の6ヶ月後

ただし、2回目の接種が初回から6ヶ月未満だった場合は、3回目の接種が必要になることがあります。

スケジュールが遅れた場合

もし途中で推奨された間隔よりも空いてしまった場合でも、最初からやり直す必要はありません。接種を中断してしまった場合は、医療機関に相談し、可能な限り早く残りの回数を接種することが推奨されます。

特に助成制度を利用する場合は、対象年齢を過ぎると自己負担になる可能性があるため、計画的に接種スケジュールを立てることをおすすめします。


HPVワクチンを接種するまでの4つのステップ

医師による診察と説明

STEP1:自治体の助成制度を確認し医療機関を探す

実際に接種を決めたら、まず最初に行うべきは情報収集と医療機関の選定です。

自治体への確認事項

  • 助成制度の有無
  • 対象年齢と生年月日の範囲
  • 助成金額(全額または一部)
  • 手続き方法(現物給付か償還払いか)
  • 申請に必要な書類

お住まいの自治体の公式ウェブサイトを確認するか、保健所や健康推進課に電話で問い合わせて、これらの情報を正確に把握しましょう。

医療機関の選び方

助成制度の内容が確認できたら、次に接種が可能な医療機関を探します。

  • 自治体のウェブサイトで協力医療機関の一覧を確認
  • かかりつけの小児科に問い合わせ
  • 希望するワクチンの種類(4価または9価)の取り扱いを確認
  • 予約の取りやすさや通いやすさも考慮

医療機関によっては、ワクチンの種類の取り扱いが異なる場合もありますので、事前に確認しておくと安心です。

STEP2:予約と必要書類の準備をする

接種する医療機関を決めたら、電話などで予約を取りましょう。

予約時に伝えるべき情報

  • 男性のHPVワクチン接種を希望していること
  • 助成制度を利用する予定であること
  • 希望するワクチンの種類(4価または9価)
  • お子さんの年齢や生年月日
  • 初回接種か、2回目以降の接種か

ワクチンの在庫状況によっては、すぐに予約が取れない場合もありますので、早めに連絡することをおすすめします。

接種当日の持ち物

  • 健康保険証
  • 本人確認書類(マイナンバーカードや顔写真付きの学生証など)
  • 母子健康手帳
  • 自治体から発行された予診票やクーポン券(ある場合)
  • 印鑑(自治体によって必要な場合があります)

これらの書類が揃っているか、事前にしっかり確認しておくことで、当日スムーズに接種を受けることができます。

STEP3:医師の診察を受けワクチンを接種する

接種当日は、予約した時間に医療機関へ行き、受付を済ませます。

まず体温測定を行い、医師による問診と診察を受けます。医師に正確に伝えるべき情報は以下の通りです。

  • お子さんの現在の体調
  • アレルギーの有無(特に薬剤や食物アレルギー)
  • 既往歴(過去にかかった病気)
  • 現在服用している薬
  • 過去の予防接種で副反応が出たことがあるか

何か気になる症状や健康上の懸念がある場合は、遠慮なく相談してください。

医師は問診と診察の結果に基づいて、接種が可能かどうかを判断します。医師や看護師からワクチンの効果や副反応について改めて説明を受けた後、接種への同意が得られれば、ワクチンが接種されます。なお、16歳未満の方の場合は保護者の同意も必要です。

通常、接種部位は腕の筋肉(三角筋)です。接種自体は数秒で終わりますが、お子さんが緊張しないよう、保護者の方がそばにいてあげると安心できるでしょう。

STEP4:接種後は安静にし体調変化に注意する

ワクチン接種後には、万が一アナフィラキシーなどの急なアレルギー反応が起きた場合に備え、医療機関内で30分程度待機し、安静に過ごす必要があります。

この間に、めまいや吐き気、呼吸困難などの異常がないか、お子さんの様子をよく観察してください。もし体調に変化があった場合は、すぐに医療機関のスタッフに伝えて適切な処置を受けましょう。

帰宅後の注意点

  • 激しい運動は避ける
  • 入浴は可能だが、接種部位を強くこすらない
  • 接種部位の痛みや腫れは数日で治まることが多い
  • 普段と異なる体調変化があれば、すぐに医療機関に連絡

接種部位の痛みや腫れは、一般的には数日で治まることが多いとされていますが、症状が続く場合は医療機関にご相談ください。接種を受けた医療機関やかかりつけ医の連絡先を確認しておくと、何かあった時にすぐに相談できて安心です。



副反応と安全性について知っておきたいこと

主な副反応は注射部位の痛みや腫れです

ワクチン接種を検討する際、副反応について心配される保護者の方は多くいらっしゃいます。正しい情報を知っておくことで、不安を和らげることができます。

よく見られる副反応(局所症状)

  • 注射した部位の痛み
  • 赤み
  • 腫れ
  • 軽い熱感

これらは通常、数日以内に自然に軽快することがほとんどです。腕の筋肉に注射するため、一時的に違和感を感じることがありますが、心配はいりません。

全身性の副反応

  • 発熱(多くは37.5度前後の軽い熱)
  • 頭痛
  • 疲労感
  • 倦怠感

これらの症状も一時的なものであり、通常は特別な治療を必要とせずに治まります。多くの場合、インフルエンザワクチンなど他の一般的な予防接種で経験する反応と大きな違いはありません。

また、接種に対する強い不安や恐怖心が原因で、めまいや失神などの「予防接種ストレス関連反応」が起こることもあります。これはワクチンの成分によるものではなく、精神的な要因によって引き起こされる反応です。接種後は医療機関でしばらく安静に過ごすことで、このような反応のリスクを減らすことができます。

重篤な副反応の報告はまれとされていますが、ゼロではありません。

過去の報道などから、HPVワクチンの安全性について不安を感じている方もいらっしゃるかもしれません。しかし、世界保健機関(WHO)や日本の厚生労働省など、国内外の専門機関がその安全性と有効性を確認し、接種をすることで発症リスクを下げることが期待されています。

重篤な副反応(アナフィラキシーなど命に関わる可能性のある反応)が起こる確率は極めて低いことが、国内外の大規模な研究で明らかになっています。その安全性については多くの科学的研究で支持されています。

日本でも、専門家による継続的な安全性評価が行われており、HPVワクチンは他の定期接種ワクチンと同等の安全性を持つことが確認されています。接種後に何らかの症状が出た場合でも、多くは一時的なものであり、適切な医療対応により回復が可能です。

気になる症状があれば相談できる窓口があります

HPVワクチンに関して不安や疑問を感じたり、接種後に何か気になる症状が出たりした場合には、一人で悩まずに信頼できる機関に相談することが大切です。

相談できる窓口

  • 接種を受けた医療機関やかかりつけ医
    接種時の状況を最もよく理解しているため、まずは相談することをおすすめします
  • お住まいの市区町村の予防接種相談窓口
    保健所や保健センターなどに設置されており、地域の状況に合わせた情報や支援を受けることができます
  • 厚生労働省の「感染症・予防接種相談窓口」
    予防接種全般に関する専門的な情報提供を行っています

これらの窓口では、専門的な知識を持ったスタッフが対応してくれますので、どのような些細なことでもお気軽にご相談ください。正確な情報を得ることで、安心して接種を進めることや、接種後の不安を解消することにつながります。

少しでも心配なことがあれば、遠慮せずに相談してみましょう。


まとめ:息子さんの健康を守るための第一歩

父と子の散歩

男性のHPVワクチン接種は、お子さん自身の健康を守るだけでなく、将来のパートナーや社会全体の健康にも貢献する大切な選択です。中咽頭がんや肛門がん、尖圭コンジローマといった男性にも関係する病気のリスク低減が期待されていますが、効果には個人差があります。

近年、全国の自治体で男性への接種費用を助成する動きが広がっています。まずは以下のステップで情報を確認してみましょう。

今すぐできる3つのアクション

  1. お住まいの自治体の公式ウェブサイトで助成制度を確認する
  2. 保健所や健康推進課に電話で問い合わせる
  3. かかりつけ医や近隣の小児科に相談する

助成制度の対象年齢は「小学6年生から高校1年生相当」としている自治体が多く、この期間を過ぎると全額自己負担となる可能性があります。早めの情報収集と行動が、費用負担を軽減するポイントです。

接種にあたって不安や疑問があるのは当然のことです。副反応には一時的なものが多いとされていますが、まれに重篤な副反応が報告されることもあります。世界保健機関(WHO)や厚生労働省は、HPVワクチンについて安全性や有効性に関する見解を公表しています。

息子さんの健康な未来のために、そして将来のパートナーの健康を守るためにも、まずはお住まいの地域の助成制度を確認することから始めてみませんか。不明な点があれば、一人で悩まずに自治体の担当窓口やかかりつけ医に気軽に相談してください。適切な情報に基づいた判断が、お子さんの健やかな成長につながります。

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